学校生活  
〜 英語と英語と英語



9月4日 はじめての午後の授業

 学校生活は2日目以降、日を追うごとにリラックスしてきた。実は翌週はクラスが減った関係でまた急に難しいクラスに入ってしまい、1から苦労しなおすのだが、それでも初日の「何もできないまま時が過ぎるんじゃないか」というような恐怖心はなくなっていた。そう思えるようになった最初のきっかけは、9月4日(学校開始2日目)のはじめての午後の授業からだったと思う。

 午後の授業はグループレッスンはわずか1クラスということで、僕とスイス人女性Cさんとの2人だけのレッスンだった。Cさんは休憩時間や食事時間のキッチンでもよくしゃべり、よく聞き取っていたため、自分とは差があるという印象を強く持っていた。だから正直彼女と2人でのレッスンというのには抵抗とか申し訳なさがあった。

 しかしいざふたを開けてみると、確かに彼女はよくしゃべり、よく聞き取れていたが、文法は弱かった。そして僕はまったくその逆だった。何というか、よく言われている「日本人は文法教育は優れいているが実地教育に弱い」という言葉の典型事例を見たようで、日本の英語教育って凄いんだな、と変なところに感心した。しかし一回そのことが判ってしまうとなんか本当に肩の荷が取れたようで、逆に午後の授業が楽しくなった。


9月5日〜 授業アラカルト
 Clare Language Center にて僕が取ったコースは、以下の感じのスケジュールになっていた。
 
月・水 9:15〜13:00 午前の授業(途中約30分の休憩)
13:00〜14:15 ランチ
14:15〜17:00 エクスカーション(開始・終了時間は内容により結構まちまち)
火・木 9:15〜13:00 午前の授業(途中約30分の休憩)
13:00〜14:15 ランチ
14:15〜16:30 午後の授業(途中約15分の休憩)
9:15〜13:00 午前の授業(途中約30分の休憩)
(注)今はどんな授業形態になっているのかは判りませんので、上記スケジュールを”Clare Language Center" の決まりであるとは思わないでください。
 通常日は約3時間、火・木は約5時間という授業時間だけを考えるとそれほどきつくないようにも思えるが、1コマが約90分続くので結構1回の授業にボリュームを感じ、「いっぱい英語やったー」っていう気にさせられる。しかも休憩時間中にその日のエクスカーション先の相談とか、場合によってはエクスカーションや授業日程を変えたりする相談とかをすることが多く、自分が行きたい場所を主張したいときは休憩中も油断できないので、予想以上にハードであった。
 もちろん宿題もたっぷり出た。特に2週目に入ってからは宿題量も増え、火・木などは

  午前の授業→昼飯→午後の授業→帰宅→午前分の宿題→食事→午後分の宿題→就寝

 といったスケジュールになることもあった。
 「こりゃ高校時代模試で英語の偏差値14を出した男のやることじゃないな・・・」と思ったりもした。

 個人的には授業は凄くまとまっていて教え方の質も高かった。授業の質で勝負というところもあったんだろうが、反面学校には教室と自炊用キッチン以外特筆すべきファシリティはなかった。Internet使用可能なパソコンが
1台職員室にあったのだが、これが午後になると自動ロックがかかってプロバイダにアクセスできなくなり、また回線速度もいわゆるアナログ速度だったので、休み時間にメールチェックして1通返せるか返せないかという感じだった。
 その代わり村の図書館にはInternet使用可能端末が3台くらいあり、そこでメールしている人が多かった。クレア州にはほとんどすべての村に図書館があり、そこでInternetができるようになっているらしい。ネット環境の推進地域か何かになっているので、ほかの州よりもネット環境は充実しているということを聞いた。19世紀最も移民が出た州というイメージが強いクレア州である。文化的格差による過疎化を食い止めようという背策なのだろうか・・・

 何にせよ、たった2週間だったのにその時一緒に勉強したメンバは今でも鮮明に覚えている。それだけ学校生活の中身が濃かったからなのだろう。29にして、初めて本当に学業に専念した瞬間だった。


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